60000系車両紹介
1.概要
野田線の快適性向上のため、「人と環境にやさしい車両」をコンセプトに設計されたもので、VVVFインバータ制御装置やLED照明の採用、アルミ合金の車体を使用して軽量化することで省エネ化を図り、8000系と比べて電気使用量を約40%削減した。
編成は6両固定編成で3M3Tとなっている。
車いすスペースを編成中に4ヶ所(62600・63600形柏方、64600・65600形大宮・船橋方)設置されている。

2012年度に導入された車両の編成表
2.車体
50000系とほぼ同じ、A-trainを採用しており、摩擦攪拌溶接(FSW)工法を用いておりきれいな車体となっている。
車体寸法は長さ20000mm(先頭車20130mm)×幅2800mm×高さ4080mmであり、50090型と同じ寸法となっている。
甲種輸送時に貼られていた検査票。

前照灯は東武で初めてLEDが用いられている。円形に配置され、下半分点灯でロービーム、全点灯でハイビームとなる。後尾灯もLEDである。

行先表示器は前面・側面とも3色(赤・橙・緑)のみ表示できるもので、前面は50000系と比べ大型化された。
野田線では普通しかないため、種別は表示せず行先のみを表示する。
3.車内

内装は50000系の後期車とほぼ同じで、妻面や乗務員室背後は木目調の化粧板が用いられている。
座席は50000系の後期車と同じもので柄は青系に変更された。優先席は赤系である。
室内灯は日立製のLED照明が使用されており、天井に埋め込められた。車外から見ると車内がピンク色に見える。

ドア上の鴨居部には50070型4次車と同様の三菱電機製17インチのLCDが各ドアに1面ずつ搭載されている。
次駅案内や駅構内図、ドア開方向等を表示する。

60000系と同等の50070型のLCD。

運転台は計器類が画面に表示されるグラスコックピットとなり東上線に転属した30000系のような運転台となっている。

50000系では地下鉄線内でのみ使用していた前面の非常扉に非常脱出用ハシゴが設けられ、東武線内でもこの非常扉を使用して脱出するようになっている。
これはT車が1両しかないことと54600形(T1車)にSIVやCPといった機器を搭載したことで、床下に非常ハシゴを設置できなかったためだと思われる。
4.機器
床下機器配置などは50000系に準じているが、機器の変更や追加が行われている。
本線や東上線の車両はトランスポンダ対応の新型車上子に変更され統合型信号保安装置が設置されているが、
60000系はそのような機器は搭載されず、従来通りの車上子となっている。
4-1.台車

台車はSS181M(動力台車)、SS181T(付随台車)形となっている。
2012年10月1日に住友金属が新日本製鐵と合併したため、新日鐡住金製となっている。
4-2.パンタグラフ

パンタグラフを手動で操作するための棒を東武では「ジスコン棒」と表記していたが、60000系では「ディスコン棒」と表記している。
4-3.制御装置

VVVFインバータが日立製のE233系3000番台と同様のものとなっている。モーター音もE233系3000番台に似たものとなっている。

また、フィルタリアクトルも50000系とは異なるものが搭載されている。
4-4.ブレーキ装置

50000系と同じナブテスコ製の全電気指令式ブレーキ装置を使用している。ブレーキ音は50000系と変わらない。
4-5.CP・SIV
M2車に加え、T1車にも搭載されている。6両編成で2機搭載するためにT1車にも搭載された。

50000系と同じCP。

50000系と比べて小さくなったSIV。
4-6.ATI装置

全車に搭載されている。50000系と同様に機器の状態を監視し、運転台のモニターに表示する装置。
4-7.TVS

車内のLCDを動作させるための装置。66600形に搭載されている(50070型は51070形に搭載)。
4-8.ホーム検知装置

ホーム検知装置が搭載されている。これはJR京浜東北線や東武本線系統のワンマン列車などで使用されているセンサー式で、
写真に赤色の矢印で示した2つのセンサーが両方ともホームが検知できるとドアを開けることができる。
乗務員室内のホーム検知装置操作盤の操作により強制的に開扉することもできる。
4-9.検査票

従来の東武の車両と同様の車号、自重、定員、前回検査日が書かれた検査票が海側の妻面に取り付けられている。
現在、前回の検査が2013年5月に行われたことになっている(甲種輸送の2ヵ月先)。
5.形式
以下に各車両の床下機器配置図と海側(柏方面行で進行方向左側)、山側(柏行で進行方向右側)の側面写真を示す。
床下機器配置図は厳密な位置・寸法は出ていないので参考程度に。
5-1.61600形(Tc1) 自重:27.7t 定員:133人

床下機器配置

海側

山側
5-2.62600形(M1) 自重:33.1t 定員:146人

床下機器配置

海側

山側
5-3.63600形(M2) 自重:33.1t 定員:146人

床下機器配置

海側

山側
5-4.64600形(T1) 自重:28.0t 定員:146人

床下機器配置

海側

山側
5-5.65600形(M3) 自重:31.9t 定員:146人

床下機器配置

海側

山側
5-6.66600形(Tc2) 自重:27.8t 定員:133人

床下機器配置

海側

山側
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東京理科大学鉄道研究会(連絡先)